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アーケード(読み)あーけーど(英語表記)arcade

精選版 日本国語大辞典 「アーケード」の意味・読み・例文・類語

アーケード

〘名〙 (arcade)
① 連続したアーチをもった構造物。かまぼこ形の天井をもった通路。拱廊(きょうろう)
※コンピューター殺人事件(1971)〈藤村正太〉八「江幡は〈略〉城西大理学部のアーケードをくぐっていた」
街路の上に屋根のように設けた、連続したおおいのある商店街。また、その屋根状のおおい。アーケード‐ストア
③ ビル内の通路に沿って商店、飲食店などの並んでいるもの。
※読書放浪(1933)〈内田魯庵〉窓から眺める「丸ビルのアーケード」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アーケード」の意味・わかりやすい解説

アーケード
あーけーど
arcade

建築において、同一のアーチが横に連続してできる形態。またそれがつくる歩廊的な空間をさす。アーケードは古くから知られていたが、その構造的、装飾的な可能性に注目したのはローマ人であり、彼らの建築様式のもっとも重要な特質となるまで発展させた。たとえばコロセウム外周に3層に重ねられたアーケードは、重厚な角柱列の上にアーチを連続させ、角柱前面に円柱を装飾として付け加えたものである。ローマン・アーケードとよばれるこの形式はローマ建築に繰り返し使われ、のちルネサンス建築に復活された。ローマ帝政後期になると、角柱ではなく、円柱に直接支持されたアーケードが用いられ、それが中世には一般的なものとなった。すなわち修道院の回廊、教会身廊側廊を隔てる柱列に、また教会ファサード正面)の装飾としてリズミカルに展開された。初期ルネサンスもこの形式を好んだ。アーチが変化に富むように、アーケードも多彩であり、壁付きのアーケードや互いに重なり合ったものなどがつくられるようになった。そして、現代では商店街などの屋根に覆われた通路もアーケードというが、アーチとはかならずしも関係なく、むしろかつてのアーケードの歩廊的性格を進展させたものといえよう。

[長尾重武]


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百科事典マイペディア 「アーケード」の意味・わかりやすい解説

アーケード

建築用語。円柱などの柱によってささえられたアーチの連続,または片側がアーチをのせた柱列からなる廊。ローマ時代以降盛んに用いられ,中世にはバシリカ式教会堂の身廊と側廊を仕切る内部構成の重要な要素となる。壁面に装飾的につけたものをブラインドアーケードという。19世紀に工業生産の鉄とガラスによる屋根付の商店街が登場し,これらもアーケード(イタリアではガレリアgalleria,フランスではパサージュpassage)と呼ばれた。

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世界大百科事典 第2版 「アーケード」の意味・わかりやすい解説

アーケード【arcade】

本来は,柱列が連続したアーチを支えるものをいう。これが大々的に開発されたのはローマ時代で,左右のアーチ部分からの水平方向の力を柱上部で釣り合わせる合理的な構造を何段にも積み重ねて,競技場,劇場,橋梁,水道橋の大工事が行われた。以来,構造上のメリットに加えて,アーチの曲線と柱の直線が作り出す快いリズムが人々の好むところとなり,ヨーロッパおよびイスラム建築に広く用いられた。ヨーロッパでは,ロマネスク期に柱間を壁体で埋めたいわゆるブラインド・アーケードblind arcadeも出現し,教会堂のファサード(正面)などで,それを幾段も重ねて装飾的に用いられた。

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